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奥三河星空コラム

金星

宵の明星

このところ日が沈むと西の宵空上の方に真っ先にキラキラと見えてくる一番星があります。

金星です。

夕方に見える金星は、「宵の明星」と呼ばれ古来親しまれてきました。
最近は減ったようですが、「西の空にじっと光るものは何?」「西にUFOが見える!」と天文台や気象台、科学館に問い合わせがよくあったと聞いています。

金星は、太陽を回る惑星の一つで、太陽の近くから順番に水金地火木土天海の「金」。
太陽に二番目に近い惑星です。
地球のすぐ内側を回っているので、一番近づくと約4000万km(火星大接近よりも近いんですよ!地球に一番近づく惑星です)、一番離れると約2億6000万kmになります。
ですが、どちらの時も地球から見ると同じ方向に太陽が見えるので、残念ながら観察できません。

金星は、見かけ上、太陽から一番離れた時が一番見やすく、その時を最大離角と言います。
太陽に向かって左上側に(東側に)金星が一番離れて見える時、東方最大離角といい、今年は3月25日にそうなります。
西の空に見えているのに「東方」最大離角です。そんなころ金星は、ほどよい近さで、ほどよく大きいので一番明るく見えるのです。

今年は4月28日に最大光度になります。
星の明るさでいうとマイナス4.5等星。
夜に見える星で、月の次に明るい星になります。
ことしは3月から5月ころまでが金星を見るチャンスです。

昼の金星

あまりに明るいのでこの頃の金星は、うまくすると昼間にも肉眼で(!)見ることができます。
かすみの少ないよく晴れた日、日陰に入って(目に直接太陽が入らないように!)太陽の左側をよーく探すとチカッと白い光の点が見えるのです。
奥三河なら空気中のほこりも少なく、大雨が降ったり、風がよく吹いた翌日など、濃い青空の日がチャンスです。

もちろん、天体望遠鏡なら都会でもバッチリ見えます。たとえば、名古屋市科学館※の天文台では月に何度か「昼間の星をみる会」として、最近はこの金星をみせてくれているはずです。
天体望遠鏡でみる金星は、形がわかってこれもおもしろいですよ。
(金星を見ようとして近くの太陽を望遠鏡で見てしまうと大変危険!失明してしまいますから、星空案内人など専門家の案内で見るようにしましょう)

なんで昼間に星がみえるのか?って?それは話すと長くなるので、ぜひ、科学館の天文ボランティアや奥三河の星空案内人に聞いてみてください。わかりやすく教えてくれると思います!

明けの明星

この金星も6月には、太陽の西側に位置を移し「明けの明星」として夜明け前に輝きます。
夏の明けの明星を見るには早起きが必要です。
夏の日の出より早く起きなければなりません。
7月の日の出は早朝5時前です。

なので、今年「あれが金星かー!」と見るには、今が一番の見頃なのです。
西の空に日没から夜21時ころまで見えています。

奥三河では山際に沈むのが早いので、
「昼間の金星を見る会」をやってみようかな!
ぜひ見に来てください。
コラムby
奥三河星空案内人3号 平野宗弘




《2020年星空観察会についてのお知らせ》
奥三河☆星空の魅力を伝える会では、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を受け、参加者および関係者の健康・安全面を第一に考慮した結果、多数の参加者が集う観察会や講座の開催について中止及び延期をする場合がございます。
参加者の方々には何卒ご了承の程よろしくお願い申し上げます。
KEYWORD
#金星 #惑星 #太陽系 #一番星 #明けの明星 #宵の明星