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奥三河星空コラム

2020年 注目の天文現象

2020年 注目の天文現象

2020年は、東京オリンピック開催の年。
小惑星探査機はやぶさ2が地球に帰還する年。

そんな1年を盛り上げる?天文現象を紹介します。
まずは、2020年天文現象をカレンダー形式で列挙します。
2020年 注目の天文現象カレンダー
 1月 4日  しぶんぎ座流星群がピーク
   11日  夜明けに半影月食
 2月10日  水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
 3月24日  水星が西方最大離角(明け方の東の低空)
   25日  金星が東方最大離角(夕方の西の空)
 4月 8日  見かけの大きさが最大の満月(いわゆるスーパームーン)
   22日  4月こと座流星群がピーク
   28日  金星が夕方の西の空で最大光度−4.5等
 5月22日  夕方の西の空で金星と水星が大接近
 6月 4日  水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
    6日  夜明け前に半影月食
   21日  全国で部分日食
 7月10日  金星が明け方の東の空で最大光度−4.5等
   14日  木星が衝(−2.8等)
   21日  土星が衝(0.1等)
   23日  水星が西方最大離角(明け方の東の低空)
 8月12日  ペルセウス座流星群がピーク
   13日  金星が西方最大離角(明け方の東の空)
 9月12日  海王星が衝
10月 1日  中秋の名月
    2日  水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
    6日  火星が準大接近(−2.6等)
   10日  くじら座のミラが極大のころ
   15日  火星が衝(−2.6等)
   21日  オリオン座流星群がピーク
   31日  2020年10月中に2回目の満月(ブルームーン等と呼ばれる)
11月 1日  天王星が衝
   11日  水星が西方最大離角(明け方の東の低空)
   17日  しし座流星群がピーク
   30日  宵の空で半影月食
12月     小惑星探査機はやぶさ2地球帰還予定
   13日  金星と細い月が明け方の東の空で大接近
13〜15日  ふたご座流星群がピーク
   15日  南米で皆既日食
21〜22日  夕空で土星と木星が大接近


そしてこの中で特に注目なのが…
6月21日 部分日食
2019年12月26日に引き続きの日食で、次回、日本で見られるのは10年後2030年6月1日。
これを見逃すと、10年間待たなくてはいけなくなってしまいます。

日食観察には最大限の注意が必要です。
場合によっては、失明の危険がありますので、専門家のアドバイスとともに観察のための準備をすすめましょう。

注意事項としては、
 ①絶対に直接見ない。望遠鏡を使っての観察も厳禁。
 ②見るときは必ず観察グラスをつける。黒い下敷きも有害光線を通してしまうからダメ。
 ③見るのは3分が上限。
 ④できれば、専門的知識のある人と一緒に見る。

が基本です。
惑星に注目!<その1> 宵・明け方に輝く金星
 このところ、夕方の西の空に輝いて見える星。それが金星です。
昨年の11月から半年ほど、どんどん高度と明るさを増していきます。
それが、6月を過ぎるとだんだんと地平線に近づき6月4日には、内合(地球と太陽の間に入る)となり、それ以降明け方の東の空で輝くようになります。
望遠鏡で観察を続けると、月の満ち欠けのように形が変わって行く様子が見られます。
惑星に注目!<その2> 火星の準大接近
 2年前に大接近した火星が再び地球に近づきます。
その距離、6207万km。
前回の接近時には及ばないものの、望遠鏡でその様子を観察すると、表面のようすや白く見える極冠が肉眼でも確認できることが期待できそうです。
惑星に注目!<その3> 木星・土星の大接近
 毎年、1年ちょっとの周期で迎える、木星と土星の見ごろ。
今年は、7月以降、同時期にやってきます。
木星の衝が7月14日、土星の衝が7月21日。
その後、2つの惑星の位置がどんどん近づくようすが観察できます。
そして、12月21〜22日頃になると、望遠鏡100倍程度の倍率で同一視野に入るほど接近して見えます。
本当に2つの惑星が接近する訳ではなく、地球から「見かけ上」接近して見えるというだけですけどね。
こうした現象の次の機会は80年後だとか。
たぶん、生きていても老化で目がちゃんと見えない人がほとんどだと思われますので、ぜひ、望遠鏡で一度に、この二つの惑星を見てみましょう。
今年注目の流星群!!
 4月22〜23日 4月こと座流星群
 8月12〜13日 ペルセウス座流星群
10月21〜22日 オリオン座流星群
11月17〜18日 しし座流星群
12月13〜15日 ふたご座流星群

 今年一番の注目は12月の「ふたご座流星群」です。
月明かりがなく、絶好のコンディションで観察できそうです。
もちろん、三大流星群のひとつとして有名なペルセウス座流星群も期待できるのですが、残念ながら今年はピークを迎える頃に下弦の月が夜空に明るく輝いているという状況での観察となってしまいます。
 「12月まで待てないよ〜」という人には、三大流星群と比べると流星数は少ないけれど、今年は月明かりがなくてよく見えそうな流星群を挙げておきましたので、参考にしてください。
高原の芝生の上のマットで寝ころびながら、流れ星を数えるのも楽しいですよ。



 さて、2020年の注目の天文現象を紹介しました。
星空は目立つ天文現象がなくても十分楽しめる魅力があります。ぜひ、そんな星空を楽しみに、奥三河へお越しください。

今年も1年、みなさんと星空を楽しみたいと思います。

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コラムby 奥三河☆星空の魅力を伝える会
星空案内人 萩野祐司
KEYWORD
#天文現象 #惑星 #流星群 #日食