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奥三河星空コラム

「つぐ高原天文台」~愛知県で一番星空に近い天文台~

日本には300を超える天文台、公開天文台があります。
多くの天文台は、熱心な天文台長、星空案内人の熱意に支えられ地域で活躍しています。

いくつかの天文台は、設置当時の天文台長が引退されたり機器が老朽化してしまうこともあり、閉鎖に追い込まれているようです。

つぐ高原天文台

設楽町津具地区にも天文台がありました。
「つぐ高原グリーンパーク」の天文台です。

1990年に「ふるさと創生1億円事業」で建てられた天文台は、2014年まで四半世紀にわたってキャンプ場に来た子どもたちに星空を見せていました。
何度か手入れ修繕されてきたようですが、ついに望遠鏡の向きを正しく測る機器が故障し、直せる人もなく様々な理由で休止に追い込まれてしまったようです。


2017年に転機が訪れました。
「奥三河☆星空の魅力を伝える会」が「おくみかわ星空講座」を開催し、たくさんの星好きが奥三河に集まりました。
そして幸運にも「伝える会」の代表が勤める法人が「つぐ高原グリーンパーク」を管理することになったのです。

「実は、動いていない天文台がつぐ高原にあるんだよねー」(!!)
冬を越えて、「なんとか復活させたい!」と「伝える会」の星空案内人の仲間たちが集まり、まずは天文台の大掃除。
2018年の春、初めて天文台の扉を開けた時は、越冬テントウムシの住み家でした。

5年も放置されていた天文台ですが、ドームは雨漏れもなく電動で動きます。

口径25cmのカセグレン式反射望遠鏡

ドームの中には口径25cmのカセグレン式反射望遠鏡。
最近の公開天文台にある天体望遠鏡より少し小振りですが、主鏡は有名な鏡製作者、苗村敬夫氏が磨いた高精度な「苗村鏡」であることがわかりました。

望遠鏡の外観はきれいにふきそうじができたのですが、ホコリをうっすらかぶった鏡面はうっかり触れません。
以前にメンテナンスをしていただいたメーカーによると鏡のメッキが薄くなっているようです。

それでも晴れた夜にドームを開けて月や木星を見てみると、光軸も狂ってはおらずなかなかの見え味ではないですか!

ドイツ式の赤道儀は、望遠鏡の向きを正しく測る機器(エンコーダ)が壊れているものの動きはスムーズで、電動で星を追いかける自動追尾は精度よく動きました。

現代的なコンピュータによる自動導入ができる新しい天体望遠鏡に置き換えるか?

さまざま検討しました。

しかし、当面はこの天体望遠鏡を活かすことにしました。

予算の問題もありますが、この「つぐ高原」に天文台を建てようとしてくれた人達がどんなに苦労して建てたのか、先人の努力をほいと置き換えてしまうわけにはいかないでしょう。

少しずつ修繕して、月に一度くらいのペースで観望会を開催します。

観望会

この先冬になるとドームが凍りついて開けられるか怪しいですが、9月から始まった「怪しい夜会」で、お待ちしています!
(イベント情報が出次第下記にてお知らせいたします)
来年2020年は「つぐ高原天文台」ができて30周年です。
天文「台」ですから山の上にあります。登る階段は、なかなか急な階段です。
でも登った先には、満天の星空と愛知県で一番星空に近い天文台が待っています。

「つぐ高原天文台」でディープな宇宙を感じてみませんか?


コラムby 奥三河☆星空案内人3号
平野 宗弘
KEYWORD
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