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奥三河星空コラム

そうだ奥三河に行こう!冬の星座「いっかくじゅう座」のお話

星のソムリエ横幕です。
今回は、冬の大三角の中に潜む想像上の動物の話です。
ユニコーン「いっかくじゅう(モノケロス)」

皆さんは、ユニコーンという動物をご存知ですか?
想像上の生き物で、馬のような姿に、山羊のひげ、そして螺旋状の一本の角が生えています。
その角には解毒の力があると信じられていました。
星座では、一角獣(モノケロス)として知られています。
いっかくじゅう座の見つけ方
いっかくじゅう座を見つけるために、まずは冬の大三角を探しましょう。
冬の大三角は、オリオン座のベテルギウス、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオンという3つの明るい星を結んでできる大きな三角形です。
ベテルギウスは、オリオン座の赤い巨星として知られていますね。
シリウスは、夜空で一番明るく輝く星として有名です。
プロキオンは、シリウスよりも少し早く夜空に登場します。

いっかくじゅう座は、冬の大三角の中にひっそりと隠れています。
しかし、星座線をたどろうとしても、暗い星ばかりで、どこがいっかくじゅう座なのか、見つけるのはなかなか難しいでしょう。なぜなら、いっかくじゅう座を構成する星は、ほとんどが4等星以下の暗い星だからです。
そのため、奥三河のように街の明かりが少ない暗い場所で、星座早見盤や星座アプリを頼りにじっくりと探してみることをおすすめします。
2025年のちょっと耳寄りなお話「冬の巨大三角」

冬の夜空を見上げ、冬の大三角を探すと、さらに大きな三角形に気が付くかもしれません。それは、シリウス、木星、火星を結んでできる、2025年のこの時期限りの特別な三角形です。
いっかくじゅう座と合わせて探してみてくださいね。
いっかくじゅう座の星

暗い星で構成されているいっかくじゅう座ですが、望遠鏡や写真で見るとその美しさに息をのむような天体が数多く存在します。例えば、バラの花のように美しいバラ星雲や、クリスマスツリーのような形をしたコーン星雲など、まるで宇宙の芸術作品のような天体をご紹介いたします。

β(ベータ)星
いっかくじゅう座のβ星は、望遠鏡で見ると、二重星のように見えます。しかし、よく観察すると、実は3つの星が寄り集まった三重星であることが分かります。

M50
冬の天の川に浮かぶ散開星団M50。その美しい姿は、一角獣のおへそに見立てられることもあります。

バラ星雲
NGC2237※1〜2239、2246を合わせてバラ星雲と呼ばれています。
バラ星雲の中に散開星団のNGC2244があり、バラに宝石を散りばめた様に見えます。

クリスマスツリー星団とコーン星雲 奥三河総合センターにて撮影
いっかくじゅう座にあるNGC2264は、いっかくじゅう座にある散光星雲、散開星団、暗黒星雲が複雑に絡み合った天体です。その形状がクリスマスツリーに似ていることから「クリスマスツリー星団」の愛称で呼ばれています。
コーン星団はクリスマスツリー星雲の中心部にある暗黒星雲で、その形が円錐形をしていることから名付けられました。まるで宇宙空間に突き出た塔のような特徴的な形状をしています。
最後に・・・

冬の星座、いっかくじゅう座を見つけ出せましたか?
街の明かりでは見えにくい星々も、光害の少ない場所でじっくりと観察すれば、きっとその姿を現してくれるはずです。特に、奥三河の澄み切った夜空の下では、いっかくじゅう座が天の川の中にひっそりとたたずんでいる姿を見ることができるかもしれません。
双眼鏡や望遠鏡を使えば、宇宙の神秘を凝縮したような天体も観測できるでしょう。
宇宙への探求心を胸に、ぜひ一度、いっかくじゅう座を探しに出かけてみませんか?
コラムby 奥三河星空案内人 星のソムリエ® 横幕浩
参考文献 冬の星座博物館 山田 卓著 地人書館
参考資料 アストロアーツ ステラナビゲータ

※1 NGC(ニュージェネラルカタログ)とは、デンマークの天文学者ジョン・ドレイヤーが1888年に発表した星雲や星団、銀河などの天体カタログです。NGCに掲載されている天体は、NGC1、NGC2、NGC3などと番号が付けられて呼ばれます。
KEYWORD
#いっかくじゅう座 #冬の星座 #クリスマスツリー星団 #コーン星雲 #バラ星雲