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奥三河星空コラム

そうだ奥三河に行こう!秋の星座「ケフェウス座」のお話

星のソムリエ、横幕です。
今回は、秋の夜空を飾る古代エチオピア王家の星座たちの中で、あまり注目をされないケフェウス王、つまり「ケフェウス座」にスポットをあてたいと思います。
ケフェウス座は何処にある?

ケフェウス座は少し見つけにくいかもしれません。というのも、明るい星が少ないからです。
星座の中で一番明るい2等星のα星と、周りの4つの3等星を「細長いとんがり屋根」のような五角形に結ぶと、ケフェウス座の姿が現れます。
巨大なW型に並んでいるため見つけやすい「カシオペア座」と、はくちょう座の一等星「デネブ」、こぐま座の「北極星」の間に位置するため、ケフェウス座を探す際は、先にこれらの星座を見つけることをオススメします。
ケフェウス座の星

ケフェウス座には、宝石の名がついた美しい星があります。1783年、天文学者のウィリアム・ハーシェルが、その星の色を「深紅のガーネット」にたとえたことから、「ガーネットスター」と呼ばれるようになりました。双眼鏡や望遠鏡をお持ちの方は、ぜひ、その美しい紅色を探してみてください。まるで、ケフェウス王が、愛する王妃カシオペアのために夜空に散りばめた宝石のように神秘的な輝きを放っていますよ。
神話「ケフェウス王の苦悩」
皆さんは秋の夜空を彩る古代エチオピア王家の神話をご存知でしょうか。

古代エチオピアの王様ケフェウスには、とても美しい姫のアンドロメダがいました。ある日、アンドロメダの美しさを自慢した王妃のカシオペアが、海の神ポセイドンを怒らせてしまいます。怒ったポセイドンは、巨大クジラ ティアマトを送り込み、ケフェウスの国を襲わせたのです。
困り果てたケフェウス王は神様にお願いし、アンドロメダを怪物への生贄にするように言われます。悲しむアンドロメダを、泣く泣く岩に縛りつけなければならなかったケフェウス王の気持ちは、どれほどつらかったことでしょう。
その時、空からペガサスという天馬に乗って現れたのが、勇者ペルセウスでした。ペルセウスは、ティアマトを倒し、アンドロメダを助け出す代わりに、アンドロメダを妻にしてほしいとケフェウス王に頼みます。
王国の危機を救うため、そしてアンドロメダを助けるため、ケフェウス王は渋々承諾します。ペルセウスは約束通り化けクジラを退治して、アンドロメダを救い出しました。

・・・王妃カシオペアのちょっとした自慢を発端に、神々に翻弄され、挙げ句の果てには、通りすがりの男に大事な娘を連れて行かれてしまったケフェウス王には、計り知れない苦悩があったかもしれませんね。皆さんはどう感じましたか?
最後に・・・

奥三河の澄み切った夜空で、秋の星座たちが繰り広げる神話を感じてみませんか?街の灯りが少ない奥三河であれば、普段は影の薄いケフェウス王の存在もハッキリと見えるかもしれません。

今回のコラムに登場した秋の星座のお話は、過去のコラムでもご紹介しているので、ぜひご覧ください。
コラム by 星のソムリエ® 奥三河星空案内人 横幕浩
参考文献 秋の星座博物館 山田 卓著 地人書館
KEYWORD
#秋の星座 #ケフェウス座 #ガーネットスター #ギリシャ神話