2024年 注目の天文現象
2023年は、各地で様々な行事やイベントが復活し、これまでの生活が戻ってきたと感じる場面が多い1年となりました。一方で、コロナ禍を通じた私たちの学びをどう生かしていくのかが試される1年でもありました。
奥三河☆星空の魅力を伝える会では、星のソムリエ®︎認定者数が100名を超え、奥三河各所の観察会の開催が復活、地域からのガイド派遣・講師派遣の増加など、これまでの活動を礎にした取り組みが展開できた1年であったと感じています。
さて、”2024年注目の天文現象”を紹介します。
まずは、カレンダー形式での列記です。
奥三河☆星空の魅力を伝える会では、星のソムリエ®︎認定者数が100名を超え、奥三河各所の観察会の開催が復活、地域からのガイド派遣・講師派遣の増加など、これまでの活動を礎にした取り組みが展開できた1年であったと感じています。
さて、”2024年注目の天文現象”を紹介します。
まずは、カレンダー形式での列記です。
2024年 注目の天文現象カレンダー
1月 4日 しぶんぎ座流星群がピーク
1月12日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
2月 5日 11:00ごろ 昼間のアンタレス食(アンタレスが月に隠される)
3月25日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
4月 9日 アメリカで皆既日食(現地時間8日、日本ではみられない)
5月 5日 12:00ごろ 昼間の火星食(火星が月に隠される)
5月 6日 みずがめ座η流星群がピーク
5月10日 水星が西方最大離角(早朝の東の空)
5月18日 くじら座のミラが極大光度のころ
6月20日 18:30ごろ 日没前のアンタレス食
7月 7日 七夕
7月20日 はくちょう座χが極大光度
7月22日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
7月24日 冥王星が衝(+15等級、望遠鏡で見てわかるか?)
7月25日 6:30ごろ 昼間の土星食(土星が月に隠される)
7月31日 みずがめ座δ南流星群、やぎ座α流星群がピーク
8月10日 伝統的七夕(旧暦7月7日)/スピカ食(スピカが月に隠される)
8月12日 ペルセウス座流星群がピーク
9月 5日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
9月 9日 土星が衝
9月17日 中秋の名月(十五夜、芋名月、満月は翌日18日)
9月21日 海王星が衝
10月3日 南アメリカ・南極方面で金環日食(日本では見られない)
10月15日 後の月(十三夜、栗名月)
10月21日 オリオン座流星群がピーク
11月14・16・18日 土星の衛星の相互食現象
11月16日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
11月17日 天王星が衝/しし座流星群がピーク
12月 8日 木星が衝/18:00ごろ 土星食(土星が月に隠される)
12月 9日 海王星食(海王星が月に隠される)
12月14日 ふたご座流星群がピーク
12月25日 スピカ食(スピカが月に隠される)/水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
1月12日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
2月 5日 11:00ごろ 昼間のアンタレス食(アンタレスが月に隠される)
3月25日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
4月 9日 アメリカで皆既日食(現地時間8日、日本ではみられない)
5月 5日 12:00ごろ 昼間の火星食(火星が月に隠される)
5月 6日 みずがめ座η流星群がピーク
5月10日 水星が西方最大離角(早朝の東の空)
5月18日 くじら座のミラが極大光度のころ
6月20日 18:30ごろ 日没前のアンタレス食
7月 7日 七夕
7月20日 はくちょう座χが極大光度
7月22日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
7月24日 冥王星が衝(+15等級、望遠鏡で見てわかるか?)
7月25日 6:30ごろ 昼間の土星食(土星が月に隠される)
7月31日 みずがめ座δ南流星群、やぎ座α流星群がピーク
8月10日 伝統的七夕(旧暦7月7日)/スピカ食(スピカが月に隠される)
8月12日 ペルセウス座流星群がピーク
9月 5日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
9月 9日 土星が衝
9月17日 中秋の名月(十五夜、芋名月、満月は翌日18日)
9月21日 海王星が衝
10月3日 南アメリカ・南極方面で金環日食(日本では見られない)
10月15日 後の月(十三夜、栗名月)
10月21日 オリオン座流星群がピーク
11月14・16・18日 土星の衛星の相互食現象
11月16日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
11月17日 天王星が衝/しし座流星群がピーク
12月 8日 木星が衝/18:00ごろ 土星食(土星が月に隠される)
12月 9日 海王星食(海王星が月に隠される)
12月14日 ふたご座流星群がピーク
12月25日 スピカ食(スピカが月に隠される)/水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
2024年は「星食」と「彗星」に期待!
2024年のおすすめは、月が星を隠す「星食」と、ほうき星こと「彗星(すいせい)」です。どちらもちょっとマニアックな天文現象ですが、星までの距離や宇宙の広大さを感じる天文現象です。
惑星食・恒星食・衛星相互食
★写真は2013年8月12日のスピカ食
※ 月のすぐ上の青い光点がスピカ。月の明縁から出てきた直後
今年は、例年より多くの明るい星が月に隠される天文現象が多く起こります。
順番に並べると・・・
2月 5日 アンタレス食
5月 5日 火星食
6月20日 アンタレス食
7月25日 土星食
8月10日 スピカ食
11月 中旬 土星の衛星相互食
12月 8日 土星食
12月 9日 海王星食
12月25日 スピカ食
昼間の現象や望遠鏡を使わないと見られないというものも含まれているので、この中のお勧めは・・・
「12月8日の土星食」と「12月25日のスピカ食」です。
どちらも夜空では1等星として見える星ですが、土星は太陽系の惑星、スピカは太陽系外のはるかかなたにある恒星です。星食はその距離や見える大きさによって、月に隠される(月から現れる)時の様子が違って見えると言われていいます。
惑星は、望遠鏡を使ってみると丸く見えます。ところが、恒星は望遠鏡を使っても輝点としか見えません。その違いが、この月に隠される現象でどのように違って見えるのか、それとも同じように見えるのか、比べてみるとおもしろいと思います。
そのほかの現象は望遠鏡を使うことでより楽しめるものです。
身近にいる星に詳しい人に話を聞いて、観測にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
※ 月のすぐ上の青い光点がスピカ。月の明縁から出てきた直後
今年は、例年より多くの明るい星が月に隠される天文現象が多く起こります。
順番に並べると・・・
2月 5日 アンタレス食
5月 5日 火星食
6月20日 アンタレス食
7月25日 土星食
8月10日 スピカ食
11月 中旬 土星の衛星相互食
12月 8日 土星食
12月 9日 海王星食
12月25日 スピカ食
昼間の現象や望遠鏡を使わないと見られないというものも含まれているので、この中のお勧めは・・・
「12月8日の土星食」と「12月25日のスピカ食」です。
どちらも夜空では1等星として見える星ですが、土星は太陽系の惑星、スピカは太陽系外のはるかかなたにある恒星です。星食はその距離や見える大きさによって、月に隠される(月から現れる)時の様子が違って見えると言われていいます。
惑星は、望遠鏡を使ってみると丸く見えます。ところが、恒星は望遠鏡を使っても輝点としか見えません。その違いが、この月に隠される現象でどのように違って見えるのか、それとも同じように見えるのか、比べてみるとおもしろいと思います。
そのほかの現象は望遠鏡を使うことでより楽しめるものです。
身近にいる星に詳しい人に話を聞いて、観測にチャレンジしてみるのもいいかもしれません。
3〜4月 ボン・ブルックス彗星、10月 紫金山・アトラス彗星
★写真は2023年レナード彗星 ※ 第6回奥三河星空写真コンテスト作品(大矢浩一)
彗星は「ほうき星」とも呼ばれ、昔は不吉なことが起こる前兆だと言われていたり、地球の大気現象と考えられていた時代もあったりしました。現在では、私たち太陽系の仲間の一つで、太陽の周りを回っている小さな天体であることが分かっています。「汚れた雪だるま」ともいわれいて、太陽系ができた頃の塵や水やメタン・一酸化炭素などの氷(固体)が集まっているものと考えられています。
その汚れた雪だるまが、太陽に接近することで、氷が溶けてガスとなり表面付近にある塵と一緒に宇宙空間に吹き出すことで、天体の周りを覆い、一部が太陽からの風で流れ出し、尾のようになって見えるというものです。
その彗星が今年は2つ明るく見えるようになると予測されています。
3〜4月にかけては、夕方西の空にボン・ブルックス彗星が見られそうです。明るさは5等級と望遠鏡を使わなければ見えない明るさですが、実はこの接近の途中に急激に明るくなるという現象(バースト)を起こし、予想以上に明るくなるかもしれないと期待されています。
10月には、紫金山・アトラス彗星が、夕方西の空に見られそうです。明るさは2等級前後、条件が良ければ肉眼でもみることができそうです。日が進むにつれて、だんだん暗くなる予想ですが、見られる高度が徐々に高くなっていくので、より見やすくなると期待されます。
こちらのコラムも参考にご覧ください。
彗星は「ほうき星」とも呼ばれ、昔は不吉なことが起こる前兆だと言われていたり、地球の大気現象と考えられていた時代もあったりしました。現在では、私たち太陽系の仲間の一つで、太陽の周りを回っている小さな天体であることが分かっています。「汚れた雪だるま」ともいわれいて、太陽系ができた頃の塵や水やメタン・一酸化炭素などの氷(固体)が集まっているものと考えられています。
その汚れた雪だるまが、太陽に接近することで、氷が溶けてガスとなり表面付近にある塵と一緒に宇宙空間に吹き出すことで、天体の周りを覆い、一部が太陽からの風で流れ出し、尾のようになって見えるというものです。
その彗星が今年は2つ明るく見えるようになると予測されています。
3〜4月にかけては、夕方西の空にボン・ブルックス彗星が見られそうです。明るさは5等級と望遠鏡を使わなければ見えない明るさですが、実はこの接近の途中に急激に明るくなるという現象(バースト)を起こし、予想以上に明るくなるかもしれないと期待されています。
10月には、紫金山・アトラス彗星が、夕方西の空に見られそうです。明るさは2等級前後、条件が良ければ肉眼でもみることができそうです。日が進むにつれて、だんだん暗くなる予想ですが、見られる高度が徐々に高くなっていくので、より見やすくなると期待されます。
こちらのコラムも参考にご覧ください。
数年前、明るくなるぞ!といって期待されていた彗星が、太陽付近を通過後、消えてなくなってしまうということが起きました。彗星は汚れた雪だるまなので、熱い太陽の近くを通る時に全て溶けて散逸してしまうということがなきにしもあらず・・・。今回の彗星はどうなるでしょうか?
そういったことも、星空観察・天体観測の楽しみとしておきましょう!
そういったことも、星空観察・天体観測の楽しみとしておきましょう!
もちろん流星群も!惑星も!
秋以降「土星」と「木星」に注目
今年注目の惑星は、秋以降の土星と木星です。
★写真は土星 ※ 2023年つぐ高原天文台にて撮影
9月9日に衝(外惑星が太陽とちょうど反対側に来る瞬間。地球にもっとも近づき明るくなる)を迎える土星は、秋〜冬にかけて夕方からほぼ一晩中見られます。土星といえば、その美しい環。望遠鏡で見た時には、思わず歓声が上がります。ところが、この土星の環、来年2025年3月ごろに、見えなくなるという現象が起きます。今年はその直前。どのように土星の環が見えるのか、ぜひ望遠鏡で観察してみましょう。
9月9日に衝(外惑星が太陽とちょうど反対側に来る瞬間。地球にもっとも近づき明るくなる)を迎える土星は、秋〜冬にかけて夕方からほぼ一晩中見られます。土星といえば、その美しい環。望遠鏡で見た時には、思わず歓声が上がります。ところが、この土星の環、来年2025年3月ごろに、見えなくなるという現象が起きます。今年はその直前。どのように土星の環が見えるのか、ぜひ望遠鏡で観察してみましょう。
★写真は木星 ※ 2023年つぐ高原天文台にて撮影
そして、木星は12月8日に衝を迎えます。木星を望遠鏡で見ると目を引くのが、木星の縞模様と4つの衛星です。大きな望遠鏡で見ると、木星の縞模様の様子が木星の大気の動きの激しさを伝えてくれます。また、木星の周りを回る4つの衛星は、日毎にその位置関係を変えて、木星の周りを行ったり来たり、追いかけたり追い越したりする様子が見られます。時々、木星の表面に衛星の影が写って見えることもあり、興味深い姿が観察できます。
その木星に探査機JUICEが向かっています。この探査機の目標は木星の衛星の探査。氷の表面の内側に液体の海があるといわれているカリスト、エウロパ、ガニメデを探査して、海の存在の確認、生命存在の可能性を探るのが目的です。探査機は2031年に木星に到着して、それから約5年の間に3つの衛星の探査を行います。
調査が始まるのはまだまだ数年先ですが、そんな探査機が木星に向けて、宇宙空間を飛んでいっていると思って惑星観測をするのも楽しいですね。
そして、木星は12月8日に衝を迎えます。木星を望遠鏡で見ると目を引くのが、木星の縞模様と4つの衛星です。大きな望遠鏡で見ると、木星の縞模様の様子が木星の大気の動きの激しさを伝えてくれます。また、木星の周りを回る4つの衛星は、日毎にその位置関係を変えて、木星の周りを行ったり来たり、追いかけたり追い越したりする様子が見られます。時々、木星の表面に衛星の影が写って見えることもあり、興味深い姿が観察できます。
その木星に探査機JUICEが向かっています。この探査機の目標は木星の衛星の探査。氷の表面の内側に液体の海があるといわれているカリスト、エウロパ、ガニメデを探査して、海の存在の確認、生命存在の可能性を探るのが目的です。探査機は2031年に木星に到着して、それから約5年の間に3つの衛星の探査を行います。
調査が始まるのはまだまだ数年先ですが、そんな探査機が木星に向けて、宇宙空間を飛んでいっていると思って惑星観測をするのも楽しいですね。
流星群は、月明かりに悩まされるかも…? 狙い目は8月のペルセウス座流星群
★写真は流星 ※ つぐ高原グリーンパーク星空観察会にて
今年の流星群のおすすめは、8月12日にピークを迎えるペルセウス座流星群です。ピークが夜中なのと、上弦の月があるので、月が沈む夜半過ぎがおすすめの観察タイム。夏休み中でもあるので、しっかり準備をして、一晩中流星観測をするのが一番の楽しみ方だと思います。
次におすすめなのが、5月6日にピークを迎えるみずがめ座η流星群。6日6時がピークの予想なので、5日の夜からの観察がよいタイミング。一晩中、月明かりなく楽しめます。とはいっても、ペルセウス座流星群ほどたくさんの数の流星は期待できない流星群です。
その他の流星群は、月明かりに邪魔されてちょっと残念な感じになりそうです。毎年、たくさんの流星が見られる12月のふたご座流星群もピーク時にほぼ満月の月があり、一晩中月明かりに観察を邪魔されそうです。
それでも、いくつかは明るい流星が見られるかもしれませんので、どうしても見たいという人は、頑張って観察してみましょう。
今年の流星群のおすすめは、8月12日にピークを迎えるペルセウス座流星群です。ピークが夜中なのと、上弦の月があるので、月が沈む夜半過ぎがおすすめの観察タイム。夏休み中でもあるので、しっかり準備をして、一晩中流星観測をするのが一番の楽しみ方だと思います。
次におすすめなのが、5月6日にピークを迎えるみずがめ座η流星群。6日6時がピークの予想なので、5日の夜からの観察がよいタイミング。一晩中、月明かりなく楽しめます。とはいっても、ペルセウス座流星群ほどたくさんの数の流星は期待できない流星群です。
その他の流星群は、月明かりに邪魔されてちょっと残念な感じになりそうです。毎年、たくさんの流星が見られる12月のふたご座流星群もピーク時にほぼ満月の月があり、一晩中月明かりに観察を邪魔されそうです。
それでも、いくつかは明るい流星が見られるかもしれませんので、どうしても見たいという人は、頑張って観察してみましょう。
最後に
さて、2024年の注目の天文現象を紹介しました。
星空の楽しみ方は人ぞれぞれ。私の一番のおすすめは、何も障害物のない開けた場所で、ぼーっと星空を眺めること。さまざまな天文現象を楽しむのも、ワクワク感があって最高ですし、写真を撮って友達と共有するのもさらに盛りがります。
世間は落ち着きを取り戻しましたが、元の生活の「忙しさ」が戻ってきているときだからこそ、ぼーっと星を眺めながら、自分なりの星空の楽しみ方を探してみてはいかがでしょうか?
皆さんと星空を楽しめるよう、星空観察会などでお待ちしています。
それでは、2024年も星空の下でお会いしましょう!!
星空の楽しみ方は人ぞれぞれ。私の一番のおすすめは、何も障害物のない開けた場所で、ぼーっと星空を眺めること。さまざまな天文現象を楽しむのも、ワクワク感があって最高ですし、写真を撮って友達と共有するのもさらに盛りがります。
世間は落ち着きを取り戻しましたが、元の生活の「忙しさ」が戻ってきているときだからこそ、ぼーっと星を眺めながら、自分なりの星空の楽しみ方を探してみてはいかがでしょうか?
皆さんと星空を楽しめるよう、星空観察会などでお待ちしています。
それでは、2024年も星空の下でお会いしましょう!!
コラムby 奥三河☆星空の魅力を伝える会 星のソムリエ®︎ 萩野祐司