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奥三河星空コラム

宵の明星 金星

2023年6月。夕方の西の空、一番星として金星がちょうど見ごろです。7月7日、七夕には最大光度(マイナス4.7等級)となるので、晴れれば日が沈む前から西の空高くに輝くのが見えるかもしれません。

★2023年4月22日19時ころ つぐ高原天文台から見た三日月(下)と金星(中央左)



 金星は地球と同じように太陽の周りを回る惑星です。地球のすぐ内側を、地球より速い周期で回っています。地球は約365日で太陽を一周していますが、金星は約225日で一周します。よって、金星は時々(約584日に1回)地球を内側から追い越していきます。今は地球から見て、太陽の東側から金星がだんだん近づいてきて、大きくなるところを見ていることになります。

 ちょうど地球に追いついた瞬間、地球から見て内惑星が太陽と地球の間にあり、一直線に並ぶことを内合(ないごう)といいます。内合では、金星の太陽に照らされた面は地球から見て反対側となります。こちら側は影となり、ちょうど新月のような状態となります。
逆に、太陽の向こう側に金星がいる瞬間・外合(がいごう)では、金星の太陽に照らされた面がこちらを向いているので満月のような状態となります。
(※どちらも太陽がまぶしくて金星を観測することはできません)
つまり、金星も満ち欠けして、形がかわるということです。

 というわけで、今日この頃の金星は、内合の少し前。写真のように半月(半金?)のような形をしています。これからだんだんと細くなりながら(三日金?)大きく明るくなっていき、7月7日ころ最も明るくなるというわけです。

★2023年6月16日 つぐ高原天文台の天体望遠鏡で撮影した金星



 奥三河の星空観察会は暗くなってから開催をすることが多いのですが、太陽が沈んだ後、まだ高い位置にある金星を天体望遠鏡で見ることもできるでしょう。その時は金星の形をよく観察してください!
奥三河でお待ちしています。

 つぐ高原天文台 台長 平野宗弘(星のソムリエ®)
詳しい金星の情報
 東方最大離角(金星が太陽の東側に最も離れて見える)は、2023年6月4日でした。
 最大光度は、2023年7月7日です。
 内合の2023年8月12日以後、明けの明星となり、日の出前に見えるようになります。
 次の外合(太陽の向こう側を通過する)は、来年の2024年6月5日。
 次に内合となる再来年の2025年3月21日まで、再び、夕方の空に見えるようになります。
日の入30分後の金星の見える位置

KEYWORD
#金星 #惑星