太陽
夜明けが始まると、天体観察や天体撮影は終了となりますが、東の空はだんだん明るくなりドラマチックな風景が広がります。休日なら暖かくして移ろいをゆっくり眺めるのも乙なものかと思います。皆さんが印象に残っている日の出はありますか。日の出を見ると不思議なことに元気をもらえるような気がします。
そんな太陽ですが、昔から我々の生活とは切り離せない存在で、表1に示すように日本を含め世界中のあらゆる文明の中で太陽は神として扱われてきました[1]。それは文明が農業と結びついて始まり、人が生きる糧の農作物を実らせる太陽は欠かせなかったためだったかもしれません。
【表1 世界各地の太陽神】
【表1 世界各地の太陽神】
太陽の光は農作物を実らせることのほかにも、植物の光合成によって大気中に酸素を供給したり、日光浴でビタミンDを体内で生成して骨を丈夫にしたりします。一方、太陽の光に含まれる紫外線は有害で、浴びすぎると皮膚がん発症リスクを高めます。
近年の脱化石燃料の動きで、太陽からのエネルギーを使った温水器や太陽光発電が広がっています。海外では太陽熱で水を沸騰させ発電する太陽熱発電も広がっているそうです[2]。
こうしたエネルギーは太陽の中心付近で水素がヘリウムに変わる核融合が起きて生み出されています[3]。
このように地球にいる我々の暮らしは太陽からのエネルギーを受け成り立っており、地球から見ると太陽は大変大きな存在です。写真2に安全なフィルタを通して見た太陽の写真を示します。
【写真2 太陽(安全なフィルタ使用し12月18日筆者撮影)】
近年の脱化石燃料の動きで、太陽からのエネルギーを使った温水器や太陽光発電が広がっています。海外では太陽熱で水を沸騰させ発電する太陽熱発電も広がっているそうです[2]。
こうしたエネルギーは太陽の中心付近で水素がヘリウムに変わる核融合が起きて生み出されています[3]。
このように地球にいる我々の暮らしは太陽からのエネルギーを受け成り立っており、地球から見ると太陽は大変大きな存在です。写真2に安全なフィルタを通して見た太陽の写真を示します。
【写真2 太陽(安全なフィルタ使用し12月18日筆者撮影)】
ところで、宇宙に目を向けてみますと、太陽は広い宇宙の中では銀河系にある数千億個の星の一つです。
核融合にともなって太陽から外側へ電気を帯びた小さな粒が流れ出していて、それを太陽風と呼んでいます。太陽系の惑星は太陽の周りを回っていますが、それよりずっと遠いところまで太陽風は届いています。この太陽風が届かなくなるところが太陽系の縁であると専門家は考えています。1977年に打ち上げられた探査衛星ボイジャー1号と2号は2012年と2018年にそれぞれ太陽系の縁に到達しました。ボイジャーのところまで太陽風は届かなくなりましたが、まだ太陽からの引力は受けているそうです。しかしボイジャーが太陽系に戻ることはありません。
日の出をみて元気をもらいましたら、ボイジャーが太陽系を出ていったように今年は何か一つでも外へ踏み出すことを考えてみるのもいいかもしれません。
良い一年になりますように。
◆◆注意◆◆
太陽を直接見てしまうと大変危険!目を傷めてしまいます。赤外線もカットする太陽メガネで安全に見るようにしましょう。
[1]クリストファー・クーパー,柴田一成監修, 田村明子訳,”太陽大図鑑”,緑書房,(2015), p.99
[2]蓮見,”太陽と太陽系の謎”,宝島社, (2013), p.70, 103
[3]渡部潤一監修”太陽系大図鑑”,ニュートンプレス,(2020),p.38, 168
コラムby
奥三河星空案内人2号 富坂学
核融合にともなって太陽から外側へ電気を帯びた小さな粒が流れ出していて、それを太陽風と呼んでいます。太陽系の惑星は太陽の周りを回っていますが、それよりずっと遠いところまで太陽風は届いています。この太陽風が届かなくなるところが太陽系の縁であると専門家は考えています。1977年に打ち上げられた探査衛星ボイジャー1号と2号は2012年と2018年にそれぞれ太陽系の縁に到達しました。ボイジャーのところまで太陽風は届かなくなりましたが、まだ太陽からの引力は受けているそうです。しかしボイジャーが太陽系に戻ることはありません。
日の出をみて元気をもらいましたら、ボイジャーが太陽系を出ていったように今年は何か一つでも外へ踏み出すことを考えてみるのもいいかもしれません。
良い一年になりますように。
◆◆注意◆◆
太陽を直接見てしまうと大変危険!目を傷めてしまいます。赤外線もカットする太陽メガネで安全に見るようにしましょう。
[1]クリストファー・クーパー,柴田一成監修, 田村明子訳,”太陽大図鑑”,緑書房,(2015), p.99
[2]蓮見,”太陽と太陽系の謎”,宝島社, (2013), p.70, 103
[3]渡部潤一監修”太陽系大図鑑”,ニュートンプレス,(2020),p.38, 168
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