2022年 注目の天文現象
*2021年11月19日 ほぼ皆既月食(撮影:筆者)
コロナの終息が見通せない2021年。変異株が次々と登場し、さまざまな場面で難しい判断が迫られました。そんな中でも、新しい知見と挑戦で、少しずつ歩み続けることが大切であることを感じた1年でもありました。
困難な中でもできることを探し、挑戦し、新しいスタイルを創っていく…それが今も求められているように感じています。
昨年のこのコラムで、「2021年が人類に与えられた新しい困難を乗り越えて”新しい時代の幕開け”の年となるよう」願いを込めて書きましたが、まだまだその挑戦は続ける必要があるようです。奥三河☆星空の魅力を伝える会は、新しい生活スタイルの中で、星空を眺める感動を共有できる新しいスタイルの星空の楽しみ方を提案し続けられるよう、2022年も更なる挑戦の年にしていきたいと思います。
さて、更なる挑戦の年となるはずの”2022年の注目の天文現象”を紹介します。
まずは、カレンダー形式での列記です。
コロナの終息が見通せない2021年。変異株が次々と登場し、さまざまな場面で難しい判断が迫られました。そんな中でも、新しい知見と挑戦で、少しずつ歩み続けることが大切であることを感じた1年でもありました。
困難な中でもできることを探し、挑戦し、新しいスタイルを創っていく…それが今も求められているように感じています。
昨年のこのコラムで、「2021年が人類に与えられた新しい困難を乗り越えて”新しい時代の幕開け”の年となるよう」願いを込めて書きましたが、まだまだその挑戦は続ける必要があるようです。奥三河☆星空の魅力を伝える会は、新しい生活スタイルの中で、星空を眺める感動を共有できる新しいスタイルの星空の楽しみ方を提案し続けられるよう、2022年も更なる挑戦の年にしていきたいと思います。
さて、更なる挑戦の年となるはずの”2022年の注目の天文現象”を紹介します。
まずは、カレンダー形式での列記です。
2022年 注目の天文現象カレンダー
1月 4日 しぶんぎ座流星群がピーク
5日 夕方西の空に水星・土星・月・木星が並んで見える
7日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
18日 2022年見かけが最も小さい満月
2月13日 金星が最大光度(−4.9等、明け方の東の空)
17日 水星が西方最大離角(早朝の東の空)
3月20日 金星が西方最大離角(明け方の東の空)
4月23日 こと座流星群がピーク
29日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
5月 6日 みずがめ座η流星群がピーク
8日 月面Xが見られる(19時前後)
6月16日 水星が西方最大離角(早朝の東の空)
7月 7日 七夕
14日 2022年見かけが最も大きい満月(スーパームーン)
30日 みずがめ座δ流星群がピーク
8月 4日 伝統的七夕(旧暦7月7日)
13日 ペルセウス座流星群がピーク
15日 土星が衝
28日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
9月10日 中秋の名月
17日 海王星が衝
27日 木星が衝
10月 9日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
22日 オリオン座流星群がピーク
11月 8日 皆既月食
天王星食(天王星が月に隠される)
9日 天王星が衝
12月 1日 火星最接近(8,150万km)
8日 火星が衝
14日 ふたご座流星群がピーク
22日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
30日 月面Xが見られる(19時前後)
5日 夕方西の空に水星・土星・月・木星が並んで見える
7日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
18日 2022年見かけが最も小さい満月
2月13日 金星が最大光度(−4.9等、明け方の東の空)
17日 水星が西方最大離角(早朝の東の空)
3月20日 金星が西方最大離角(明け方の東の空)
4月23日 こと座流星群がピーク
29日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
5月 6日 みずがめ座η流星群がピーク
8日 月面Xが見られる(19時前後)
6月16日 水星が西方最大離角(早朝の東の空)
7月 7日 七夕
14日 2022年見かけが最も大きい満月(スーパームーン)
30日 みずがめ座δ流星群がピーク
8月 4日 伝統的七夕(旧暦7月7日)
13日 ペルセウス座流星群がピーク
15日 土星が衝
28日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
9月10日 中秋の名月
17日 海王星が衝
27日 木星が衝
10月 9日 水星が西方最大離角(早朝の東の低空)
22日 オリオン座流星群がピーク
11月 8日 皆既月食
天王星食(天王星が月に隠される)
9日 天王星が衝
12月 1日 火星最接近(8,150万km)
8日 火星が衝
14日 ふたご座流星群がピーク
22日 水星が東方最大離角(夕方の西の低空)
30日 月面Xが見られる(19時前後)
2022年の天文現象のオススメは夏以降!!「惑星の衝」「皆既月食」「天王星食」
まずは…「惑星の衝」
まずは…「惑星の衝」
8月15日 土星
9月17日 海王星
9月27日 木星
11月 9日 天王星
12月 8日 火星
8月以降、地球より外側を公転する惑星が次々と衝を迎えます。
衝とは、その惑星が、地球を挟んで太陽の真反対に来ること。つまり、太陽が沈むと東から昇ってきて、太陽が昇る頃に西の地平線に沈むということで、一晩中その星が見られます。また、地球からの距離が最も近い位置関係になるため、明るく大きく見えるようになります。
その中でも、2022年一番の注目が「火星の最接近・衝」です。
火星は、2年2ヶ月周期で、地球との最接近を迎えます。2年前、4年前に比べると今回は、ちょっと遠めの最接近ですが、それでも8,150万kmまで接近します。地球最接近時の光度は−2.0等級。近くに火星と同じような赤い星おうし座のアルデバランがあり、その明るさと赤さを比べられるのが楽しみでもあります。
それぞれの惑星が衝を迎えるときにその惑星がある星座を紹介しておきます。
土星:やぎ座 海王星:みずがめ座 木星:うお座 天王星:おひつじ座 火星:おうし座
順番に並んだ星座にひとつずつ惑星があるのがたいへん興味深いですね。
ちなみに、海王星と天王星は肉眼では見られませんので、望遠鏡でさがしてみましょう。ちょっと難しいですけどね。
9月17日 海王星
9月27日 木星
11月 9日 天王星
12月 8日 火星
8月以降、地球より外側を公転する惑星が次々と衝を迎えます。
衝とは、その惑星が、地球を挟んで太陽の真反対に来ること。つまり、太陽が沈むと東から昇ってきて、太陽が昇る頃に西の地平線に沈むということで、一晩中その星が見られます。また、地球からの距離が最も近い位置関係になるため、明るく大きく見えるようになります。
その中でも、2022年一番の注目が「火星の最接近・衝」です。
火星は、2年2ヶ月周期で、地球との最接近を迎えます。2年前、4年前に比べると今回は、ちょっと遠めの最接近ですが、それでも8,150万kmまで接近します。地球最接近時の光度は−2.0等級。近くに火星と同じような赤い星おうし座のアルデバランがあり、その明るさと赤さを比べられるのが楽しみでもあります。
それぞれの惑星が衝を迎えるときにその惑星がある星座を紹介しておきます。
土星:やぎ座 海王星:みずがめ座 木星:うお座 天王星:おひつじ座 火星:おうし座
順番に並んだ星座にひとつずつ惑星があるのがたいへん興味深いですね。
ちなみに、海王星と天王星は肉眼では見られませんので、望遠鏡でさがしてみましょう。ちょっと難しいですけどね。
つぎに…「皆既月食」と「天王星食」
11月8日、ほぼ1年ぶりに見られる皆既月食(2021年は”ほぼ”皆既月食でしたが)です。この皆既月食が珍しいのは、同じタイミングで月が天王星を隠す「天王星食」がおこることです。
はじめに、皆既月食のようすについて紹介します。
予想時刻は次の通りです。
部分食の始まり 18時 8分
皆既食の始まり 19時16分
食の最大 19時59分
皆既食の終わり 20時42分
部分食の終わり 22時57分
この日の名古屋での月出が16時44分です。かけ始めるのは、16°ほどまで昇った頃。その後徐々に欠け具合いが大きくなり、19時16分頃に皆既状態になります。このときの高度は29°。高さとしてはとても見やすい角度になっています。皆既になると、暗い赤っぽくぼんやりと見える状態がしばらく続きます。19時59分に食の最大を迎え、20時42分に皆既終了、その後、だんだんもとの丸い月に戻っていきます。
このときに同時におこる天文現象が「天王星食」です。
皆既のときに左下に小さく見える天王星がどんどん月に近づいていくようすが観測できます。皆既の終わり少し前、20時30〜35分の間に天王星が月に隠されます。その後、月食が終わりに近づきつつある21時20〜25分の間に天王星が月の右下から現れます。
望遠鏡で月食を観察しながら、天王星が月に隠され、再び現れる瞬間を観察するのも楽しみです。
はじめに、皆既月食のようすについて紹介します。
予想時刻は次の通りです。
部分食の始まり 18時 8分
皆既食の始まり 19時16分
食の最大 19時59分
皆既食の終わり 20時42分
部分食の終わり 22時57分
この日の名古屋での月出が16時44分です。かけ始めるのは、16°ほどまで昇った頃。その後徐々に欠け具合いが大きくなり、19時16分頃に皆既状態になります。このときの高度は29°。高さとしてはとても見やすい角度になっています。皆既になると、暗い赤っぽくぼんやりと見える状態がしばらく続きます。19時59分に食の最大を迎え、20時42分に皆既終了、その後、だんだんもとの丸い月に戻っていきます。
このときに同時におこる天文現象が「天王星食」です。
皆既のときに左下に小さく見える天王星がどんどん月に近づいていくようすが観測できます。皆既の終わり少し前、20時30〜35分の間に天王星が月に隠されます。その後、月食が終わりに近づきつつある21時20〜25分の間に天王星が月の右下から現れます。
望遠鏡で月食を観察しながら、天王星が月に隠され、再び現れる瞬間を観察するのも楽しみです。
2022年 月面Xは5月8日と12月30日の19時前後、月の表面に文字が現れる!!
最近は「月面X」が有名になってきていますが、他にも「L」「V」「E」も見つけられています。2021年には「Y」もみつかり、マニアの間で話題になっています。
文字が現れるといっても、宇宙人が造った建物等が見えるというものではありません。残念ながら、自然物です。月の表面にたくさん見られる隕石の衝突跡「クレーター」の影が太陽からの光(日光)との角度によってさまざまな形に見えるというものです。それが月面Xです。
地球と太陽と月の微妙な位置関係で見られる月面に現れる文字のような影…。望遠鏡でいろいろな文字を探してみるのもいいかもです。
もちろん、一番簡単にたくさん探せる文字は「O」です!(笑
文字が現れるといっても、宇宙人が造った建物等が見えるというものではありません。残念ながら、自然物です。月の表面にたくさん見られる隕石の衝突跡「クレーター」の影が太陽からの光(日光)との角度によってさまざまな形に見えるというものです。それが月面Xです。
地球と太陽と月の微妙な位置関係で見られる月面に現れる文字のような影…。望遠鏡でいろいろな文字を探してみるのもいいかもです。
もちろん、一番簡単にたくさん探せる文字は「O」です!(笑
皆さんの期待は…「流れ星が見たい!!」流星群の紹介!
1年のうちでいくつもあるといわれている流星群。2022年に注目したい流星群は…
1月 4日 しぶんぎ座流星群(HR30)
4月23日 こと座流星群(HR15)
5月 6日 みずがめ座η流星群(HR15)
7月30日 みずがめ座δ流星群(HR10)
8月13日 ペルセウス座流星群(HR30)
10月22日 オリオン座流星群(HR15)
12月14日 ふたご座流星群(HR50)
*HR:暗い空等の好条件での1時間あたりの予想最大流星観測数
2022年は、三大流星群の中では、1月のしぶんぎ座流星群がオススメではありますが、ピークが非常に短時間で明け方に近いこと、冬の厳冬期にあたるので、観察には不向きです。8月のペルセウス座流星群は、満月にドンピシャで、少々残念。でも、夏休み中であることや月光浴も兼ねての観察なら十分に楽しめそうです。12月のふたご座流星群は、21時過ぎに月が昇ってくるまでがチャンス。日没の早い冬、そして、寒い時期でもあるので、早めに観測を切り上げる計画での観察はありですね。
三大流星群以外で比較的見やすそうなのが、5月のみずがめ座η流星群。平日ではあるけれどゴールデンウィークの中日で、上手に休暇を利用すれば、夜遅くまで楽しめそうな流星群です。
1月 4日 しぶんぎ座流星群(HR30)
4月23日 こと座流星群(HR15)
5月 6日 みずがめ座η流星群(HR15)
7月30日 みずがめ座δ流星群(HR10)
8月13日 ペルセウス座流星群(HR30)
10月22日 オリオン座流星群(HR15)
12月14日 ふたご座流星群(HR50)
*HR:暗い空等の好条件での1時間あたりの予想最大流星観測数
2022年は、三大流星群の中では、1月のしぶんぎ座流星群がオススメではありますが、ピークが非常に短時間で明け方に近いこと、冬の厳冬期にあたるので、観察には不向きです。8月のペルセウス座流星群は、満月にドンピシャで、少々残念。でも、夏休み中であることや月光浴も兼ねての観察なら十分に楽しめそうです。12月のふたご座流星群は、21時過ぎに月が昇ってくるまでがチャンス。日没の早い冬、そして、寒い時期でもあるので、早めに観測を切り上げる計画での観察はありですね。
三大流星群以外で比較的見やすそうなのが、5月のみずがめ座η流星群。平日ではあるけれどゴールデンウィークの中日で、上手に休暇を利用すれば、夜遅くまで楽しめそうな流星群です。
さて、2022年の注目の天文現象を紹介しました。
天文現象や流星群がなくても、十分楽しく過ごせるのが星空観察。夜空の暗い場所、街明かりが多い場所、それぞれでの楽しみ方で星空を楽しみましょう。
新型コロナウイルスも次々と変異種が出現し、先が見通せない状況が続いていますが、感染対策も予防策も、治療法も徐々に明らかになりつつあります。2022年は、みなさんの英知と努力で、この難問を克服し、新しい時代の幕開けとなることを願っています。
それでは、2022年も星空の下でお会いしましょう!!
*今回の記事内で紹介した、天文現象の日時等のデータは、下記を参考にています。
天文現象や流星群がなくても、十分楽しく過ごせるのが星空観察。夜空の暗い場所、街明かりが多い場所、それぞれでの楽しみ方で星空を楽しみましょう。
新型コロナウイルスも次々と変異種が出現し、先が見通せない状況が続いていますが、感染対策も予防策も、治療法も徐々に明らかになりつつあります。2022年は、みなさんの英知と努力で、この難問を克服し、新しい時代の幕開けとなることを願っています。
それでは、2022年も星空の下でお会いしましょう!!
*今回の記事内で紹介した、天文現象の日時等のデータは、下記を参考にています。
コラムby 奥三河☆星空の魅力を伝える会 星空案内人 萩野祐司