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奥三河星空コラム

月の名前

月の名前

今日は、最近よく聞く「月の名前」の話です。
〇ネイティブアメリカンの満月〇
時計も方位磁石もない狩猟・農耕生活の中、1年に12回来る満月で季節を感じていたようです。
1月Wolf Moon(ウルフムーン)
  狼が遠吠えをする頃
2月Snow Moon(スノームーン)
  最も雪が多い頃
3月Worm Moon(ワームムーン)
  土中の虫が顔を出し、春の訪れを知らせる頃
4月Pink Moon(ピンクムーン)
 フロックスや芝桜といったピンク色の花が咲く頃
5月Flower Moon(フラワームーン)
  様々な花が咲き乱れる頃
6月Strawberry Moon(ストロベリームーン)
 この時期のイチゴが成熟する頃
7月Buck Moon(バックムーン)
  雄鹿の角が枝分かれする頃
8月Sturgeon Moon(スタージョンムーン)
 チョウザメの漁を始める頃
9月Corn Moon(コーンムーン)
 トウモロコシを収穫する頃
Harvest Moon(ハーベストムーン)
 秋分に最も近い満月(中秋の名月といってよいかも)
10月Hunter’s Moon(ハンターズムーン)
 冬の準備のために狩りへ行く頃
11月Beaver Moon(ビーバームーン)
 ビーバーが巣作りする頃
12月Cold Moon(コールドムーン)
 冬の寒さが厳しくなる頃
〇日本の月の異名〇
日本は毎月(カレンダーの月)に名前がありますが、満月の名前というわけではありません。
1月 睦月(むつき)
2月 如月(きさらぎ)
3月 弥生(やよい)
4月 卯月(うづき)
5月 五月(さつき)
6月 水無月(みなづき)
7月 文月(ふみつき)
8月 葉月(はづき)
9月 長月(ながつき)
10月 神無月(かんなづき)
11月 霜月(しもつき)
12月 師走(しわす)
〇日本の月の名前〇
毎日の月の形を愛でる日本人。満月の前後、明るい月を待ちわびる様子が美しいですね。
旧暦
一日   新月 朔(さく)朔日(ついたち)
二日   二日月 繊月
三日   三日月 眉月
七日   上弦の月 弓張り月
十日   十日夜(とおかんや)
十三日   十三夜 後の月(のちのつき)
十四日   小望月(こもちづき)
十五日   満月 十五夜 望(ぼう)
十六日   十六夜(いざよい)
十七日   立待月(たちまちづき)
十八日   居待月(いまちづき)
十九日   寝待月(ねまちづき)
二十日   更待月(ふけまちづき)
二十三日 下弦の月
二十六日 有明月(ありあけづき)
三十日   三十日月(みそかづき)朔(さく)新月
「月とこよみの本」(林完次監修 宝島社)より


天文とは、天の文(ふみ)を読むことで、暦を立てることがその役割でした。暦には月が大きな役割をしています。

原野に生きるネイティブアメリカンのように、ざっくり「12回満月を数えるとと、また寒い冬がやってくる」と感じるのはとても自然な気がします。そして毎回の季節の満月ひとつひとつに名前をつけたのでしょう。月の公転周期は約30日で、1年(地球の公転周期)は約365日ですから、満月が13回来ることはありません。世界中どこでも1年は12か月と考えたことでしょう。

日本人は、毎日毎日月を眺めたのですね。そして月が見えなくなって(新月 朔)からまた見えなくなるまでが30日だと気づき、「ひと月」としたのです。世界中どこでも月はこのように満ち欠けをするはずですから、きっと世界中どこでも最初は1か月を30日とし暦をつくったことでしょう。

1か月(月の公転周期)約30日と1年(地球の公転周期)約365日は、宇宙的に偶然この数字なので、まったく関連がなく、きっちり割り切れるはずもありません。12か月の後、余った約5日をどうするか?が、暦を立てる人の悩みの種だったはずです。冬に来る最後の5日くらい、やることないし、寝て過ごせば?と思うのですが、後の人は、つじつま合わせにあの手この手を考え出したわけです。

このように暦の話はとても奥が深く、諸説も多く、書籍もたくさん出ています。地域や民族、宗教によってその成り立ちはそれぞれ異なり、どれが正しいということもないでしょう。いろいろな暦が重なり合って今の暦になってきたのです。

地球人は月がなかったら、どうやって、どんな暦をつくったのでしょうか?
他の惑星系のカレンダーを見つけたら、その惑星の月の公転周期がわかるのかな?
月が二つあったら、どんなカレンダーになるのでしょうか?
そんなことを考えながら月を眺めるのはいかがでしょうか?
(SF作家に任せましょうか?)

奥三河、つぐ高原天文台では、毎月、上弦の月のころ観察会を開いています。
ぜひ月を愛でに、つぐ高原天文台にお越しください。
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奥三河星空案内人3号 平野 宗弘
奥三河 準 星空案内人 鈴木 真由子

月

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